シリーズ名:2009 オートバックス SUPER GT(S-GT)
大会名:第9戦(最終戦)・もてぎGT 250km レース
距離:4.801km×53周
予選:11月07日 晴れのち曇り・観衆:1万4000人(主催者発表)
決勝:11月08日 晴れのち曇り・観衆:3万5000人(  同  )



完璧なレースを展開し、今季ベストの6位入賞でシーズンを終える


32 EPSON NSX  予選13位 決勝6位

いよいよ最終戦を迎えたスーパーGT。頼もしいコンビに成長した二人。

最終戦&NSXラストランで、ピットウォークは大盛況。

1スティント目、ロイック選手はトップに浮上するまで引っ張る。 中山選手に交代後、SCが導入。再スタート後猛チャージして6位入賞。

 09年S-GTのシリーズ最終戦が11月7〜8日、栃木県は茂木町にあるツインリンクもてぎで開催された。
96年にシリーズデビューを果たし、トップコンテンダーとして活躍を続けてきたNSXにとっては今回がファイナルレースとあって、週末2日間を通じて5万人近いファンが詰めかけた。そしてハコ車バトルに酔いながら、これがラストランとなるNSXの勇姿に、熱い声援を送っていた。
 走行始めとなった土曜日午前の公式練習から、チームは低い路面温度に悩まされることになった。今回チームがリクエストしたタイヤは、この低い路面温度では簡単には温めることが出来ず、充分なパフォーマンスを引き出すことが出来なかった。今回の公式予選は第6戦の鈴鹿以来となるノックダウン・スタイルが採用されたが、圧倒的な速さと強さでフォーミュラ・ニッポンのドライバーチャンピオンに輝いたロイックの腕を以てしても、予選13番手…セッション1で、まさかの敗退!…と苦戦を強いられている。
 スタート前の予想では、目安となる周回数は30周で、マシンのバランスの変化によって、少しピットインを前倒しにしたり、あるいはさらにロングラップをロイックが走ったり、と臨機応変な戦略だった。
チームに参加して、今年で4年目となったロイックは、当初から持っていた速さを磨くとともに、その一方でエースとしての風格が備わり、速さだけでなく強さも備えるようになった。そんなロイックは、スタート直後からコース上のあちらこちらで発生したハプニング&アクシデントに惑わされることなく安定したペースで周回を重ねていく。そしてロングラップを引っ張った結果、32周目にはトップ。リーダータワーの最上位に32のゼッケンナンバーを点灯させると、その翌周にやっとピットに向かった。
 後半スティントは中山の担当。実はロイックがスタートする直前まで、ロイック自身が履くタイヤの選定に時間を割いており、中山は皮むきしていないタイヤでピットアウトする事になった。だが、1戦毎に力を蓄えてきていたルーキーは、アウトラップの周を、細心の注意で無事消化すると、タイヤが温まった後の2周目からは、ライバルと同等のペースで周回を始めることになる。
 さらに中山にはピットアウトから数周で、初体験の難事が勃発する。GT300クラスのマシンがエンジンをブローさせ5コーナーにオイルがばら撒かれてしまい、セイフティカー(SC)が導入されたのだ。クラス別にホームストレートに整列し、やがてSCに先導され数周のローリングラップを経てレースは再スタート。だが中山はノーミスでこれらをこなしたばかりか、終盤になっても上位陣追撃の手を緩めることなく猛チャージ。6位までポジションを上げ、最後は力強くルーキーイヤー最後となるチェッカーを受けたのだ。
 もちろん、6位という結果に満足することは出来ないが、13番手グリッドからスタートしたことを考えるなら、現状におけるベストレース。シーズンを通じて優勝こそ勝ち獲ることは出来なかったが、チームが一丸となって引き出した“正解”だったことは間違いない。
 そしてチームスタッフは息つく暇もなく、10年シーズンに向けて動き始めることになる。来年こそは、内容だけでなく結果でも満足出来るレースを具現化するために。

●EPSON NAKAJIMA RACING総監督 中嶋悟のコメント

 シーズン最終戦で今季ベストリザルトの6位(苦笑)。悔しいですね。でも、決勝レース中のペースだけ見たなら、優勝戦線に顔を出すほどではないけど、まずはコンスタントに走れるようになったな、と。ドライバーだけでなくチームスタッフ全員が、パーフェクトなレースにしてくれました。
 ただ、予選での速さが足りないことも明らかになってきました。あとシーズンを通じて総括するなら、色んなことが“噛み合ってなかった”ように思います。それが、来シーズンに向けての課題です。  ドライバーに関して言うなら、ロイックは、トップドライバーに相応しい、最高の仕事をしてくれました。ルーキーの中山も、着実に成長しています。速さだけならロイックに遜色ないペースで走ってみせたことも度々でした。あとはGTならではの、例えば自分自身で競り合いながら、やはり競り合っているGT300のマシンをパスするような、難しいシーンに、どう巧く対処するか。もちろん経験は必要ですが、その辺りが彼の課題かな。
 シーズンを通じて応援してくれたファンの皆さんには、好結果で応えることが出来ずに申し訳ありませんでした。来シーズンこそは、予選から速さを発揮出来るマシン造りを進めていき、好結果を報告したいと思っています。本当に、応援ありがとうございました。


2009シーズン EPSON NAKAJIMA RACING への応援まことにありがとうございました。

top