シリーズ名:2002年全日本F3選手権 第1戦・第2戦
大 会 名:第1戦/第2戦 筑波サーキット(全長:2.045km)
距   離:第1戦 2.045km×32周=65.44km
     :第2戦 2.045km×45周=92.025km
天   候:3月2日(土)晴れ 路面:ドライ
     :3月3日(日)晴れ 路面:ドライ
観   衆:1万3500人(主催者発表)
#64佐藤晋也選手、開幕ラウンドでいきなり3位表彰台を獲得!

 2002年、今年もNAKAJIMA HONDAは全日本F3選手権に参戦することとなった。
ドライバーには昨年に引き続き佐藤晋也選手(21歳)を起用し、マシンは今季フルモデルチェンジし、新たな空力デザインと6速シーケンシャルミッションを備えたニューマシンであるダラーラF302、搭載エンジンは今年も無限チューンの無限MF204Bを使用しての全20戦の戦いだ。
車名はPIAA DALLARA無限で、ゼッケンはおなじみの64番でのエントリー。
昨年は表彰台獲得もあったものの、全体的には思うようなリザルトを残せなかっただけに、今季は昨年を上回る成績を挙げ、11月のマカオGPなどへの参戦権利獲得、そしてシリーズタイトルへの挑戦が大きな目標となる。
 2002年全日本F3選手権シリーズの開幕ラウンドが、3月2〜3日に今季の全日本カテゴリーの先陣を切る形で開催された。舞台となる筑波サーキットは、昨年#64佐藤選手が初の3位表彰台を獲得した思い出のコースだけに、幸先のよいシーズンスタートへの期待がいやが上にも高まる。
#64佐藤選手とチームは木曜日から走行を開始、初日はいろいろなセッティングを試すなどした上、シートに不具合があったために順位的には下位に沈んだが、翌金曜日には全体でも2番手に位置する好タイムをマーク、まずまずの仕上がりとなり土曜日の公式予選を迎えた。
 やや肌寒い曇天の下、午前10時30分から開始された予選1回目。
コースオープンと同時にコースインした#64佐藤選手だが、なかなかクリアラップに恵まれず苦戦、いったんピットインしてタイミングを計り、残り4分という7周目のところでようやく52秒276をマーク、4番手につける。
さらなるアタックを続けた#64佐藤選手だが、結局このタイムがベストとなり、第1戦のグリッドはアウト側の4位となった。10分のインターバルの後に行われた予選2回目にはフロントウイングに若干の調整を加えてコースイン、5周目に52秒279を記録し5番手につけた#64佐藤選手だったが、ここでも終盤のタイムアップは果たせず第2戦の予選は6位どまり。抜きどころの少ない筑波とあって、残念ながら厳しい状況となってしまった。
 予選結果は、第1戦、第2戦ともにポールは無限×童夢の小暮卓史選手(ダラーラF302・無限ホンダ)が獲得、また同じく両レースの予選2位にはトムスのパオロ・モンティン選手(ダラーラF302・トムストヨタ)で、予選3位は第1戦はトムスの横溝直輝選手(ダラーラF302・トムストヨタ)、第2戦は長屋宏和選手(ダラーラF302・無限ホンダ)がそれぞれ並ぶこととなった。
 午後3時3分、スタートが切られた第1戦。まずまずのスタートを切った#64佐藤選手だが、ポールの小暮選手がストールした影響か1コーナーには5番手での進入となった。
しかしここで前方の2台が接触し、労せずしてポジションは3番手に浮上する。トップはモンティン選手、2番手はINGINGのマチュー・ザンガレリ選手(ダラーラF302・トリイトヨタ)で、#64佐藤選手はこの2台には少し離されたものの後続の横溝選手とのギャップをじりじりと開き、まずまずの走りを見せる。
しかし、ポールシッターながら出遅れた小暮選手が4位に浮上、52秒台のハイペースでの追い上げを見せて14周終了時点ではついに#64佐藤選手のマージンは1秒を切る。緊迫したこのふたりによる3位争いはその後最終ラップまで続き、テール・to・ノーズでの厳しい戦いとなったが、冷静なドライビングと抜きどころの少ないコースも味方し、そのままチェッカー。#64佐藤選手は幸先の良い3位表彰台でシーズン開幕を飾ることとなった。
 第1戦上位の結果は、モンティン選手が優勝、ザンガレリ選手が2位。3位に#64佐藤選手、4位に小暮選手、5位に平中克幸選手、6位に長屋選手となっている。
 土曜日に比べれば雲の切れ間も多く、天候には恵まれたものの、気温が下がりさらに寒さが増した日曜日。前日同様の好結果が期待された#64佐藤選手だったが、午後1時33分にスタートを迎えた第2戦では思わぬ落とし穴が待っていた。
 レッドシグナルが消え、グリーンシグナルが点灯し、無事スタートを切った#64佐藤選手だったが、なんと1周終了時点でピットインしてしまう。
クラッチトラブルだった。すぐさまチームスタッフがマシンに取り付き、修復を施そうとしたが、簡単に解消できるトラブルではなく万事休す。
残念ながら45周という長丁場の第2戦をわずか1周でリタイアせざるを得なかった。
 第2戦の決勝結果は優勝はモンティン選手、2位ザンガレリ選手で、3位に片岡選手。4位富澤勝選手、5位平中選手、6位に吉本大樹選手となった。
 予選ポジションが6番手と、第1戦よりも後方からのスタートとなった為スタートでのジャンプアップを狙ったことがあだとなり、フォーメイションでスタート練習をした際に、クラッチに負担を掛けてしまったのがトラブルの原因と考えられた。
しかし、連続表彰台への期待があっただけに残念で、不運なトラブルとなってしまった。
第1戦では苦しい状況の中でミスを犯さず、いいレースを見せての表彰台獲得だっただけに、1周リタイアとなった第2戦はまさに対照的な結末。#64佐藤選手とチームにとっては"悲喜こもごも"といった感のある開幕ラウンドとなったが、第3・4戦の鈴鹿はもう3週間後に迫っており、FD育ちで鈴鹿を得意なコースとする#64佐藤選手だけに、今回の不運を払拭した好レースを期待したい。

● NAKAJIMA HONDA テクニカルディレクター 藤井一三のコメント
第1戦は、初戦にしては3位という結果を残すことができ、昨年勉強した成果が生かされたと思います。第2戦は、予選ポジションは少し後ろだった為、スタート奪取にかけた分クラッチに負担がかかり壊れてしまいました。次戦鈴鹿ではチーム一丸となり、更なる飛躍を目指します。」
※ 次戦は、3月23日〜24日、三重県鈴鹿サーキットで開催されます。



< Nakajima Racing ■home ■what's new ■rece report ■about us ■history ■link world >