シリーズ名:2007年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第8戦・ツインリンクもてぎ
距離:4.801km×52周
予選:10月19日 晴れ・観衆: 5,600人(主催者発表)
決勝:10月21日 晴れ・観衆:15,500人(  同  )

 

フロントローからスタートした小暮&ロイックがレースを席巻
小暮が今季3勝目。ロイックも2位で続き、3年半ぶりの1-2フィニッシュ


31 Loic DUVAL

予選2位 決勝2位

32 小暮卓史 予選1位 決勝1位
前回菅生から好調の中嶋レーシング
もてぎでも予選1.2位を獲得!


スタートはポールの小暮選手は好ダッシュ!
クラッチの不調で出遅れたロイック選手も7週目には2位に浮上。

1ピット作戦も絶妙のタイミングで、小暮選手の速さを阻むものは何もなかった。

小暮選手は3勝目!最終戦鈴鹿へチャンピオン争いを持ち込むことに成功。

雲ひとつない秋晴れの下、ツインリンクもてぎで行われたフォーミュラ・ニッポン第8戦は小暮卓史がポールポジションから好ダッシュ。前戦の菅生ラウンドに続いて今季3勝目をマークした。2番手グリッドを奪うも、スタートで出遅れたロイック・デュバルは、予選で見せた速さそのままにポジションを挽回し、2位チェッカーで3戦連続表彰台。チームとしては04年の開幕戦・鈴鹿以来、実に3年半ぶりとなる1-2フィニッシュの圧勝で、最終戦での逆転タイトルに期待を繋いだ。
走り始めとなった金曜日は、朝から白い雲が空を覆う生憎の天候で、午後のセッションは雨が落ち始めることも予想されていた。ただし実際には午前・午後の2回のセッションは、ともに完全ドライのコンディションに終始した。今回は、ロイック・小暮ともに走り始めから好調で、小暮は2回のセッションでともに後続を大きく引き離すトップタイムをあっさりマーク。午前中にアンダーステアに苦しんでいたロイックも、午後には、小暮には差を付けられたものの2位とは僅差の3番手まで進出。翌日の公式予選に期待を繋いだ。
土曜日の公式予選、午前中に行われた1回目のセッションは、高く晴れ上がった秋空の下で行われた。ロイック、小暮の順にピットアウトしていったPIAA NAKAJIMAコンビは、本山哲選手やブノワ・トレルイエ選手など、手強いライバルを相手に激しいタイムアタック合戦を繰り広げたが、小暮が1分33秒472のスーパーラップを叩き出して決着。ラストラップで33秒838まで詰めたロイックが2番手で続いた。
少し雲が拡がってきた午後のセッションでも、小暮&ロイックの速さは不変。勝負所はラスト10分間。ライバル陣営も懸命のアタックを始めるが、残り5分を切って最後のアタックに出た小暮とロイックが、彼らを一蹴することになる。

3セット目のフレッシュタイヤを装着した小暮は、1分33秒259をマークしてトップを確実なものとした。一方、ロイックは、33秒374で小暮に続く2番手。菅生に続いて小暮とロイックがフロントローを独占することになった。

 決勝が行われた日曜日は、早朝から、雲ひとつない秋晴れとなった。午後2時半のスタート予定時刻が近づいても、早朝からの秋晴れが続いていた。ピットウォークに続いて今回は、ここツインリンクもてぎならではのファンサービスで21台のマシンが隊列を組んでオーバルのスーパースピードウェイをパレードラップが行われ、詰めかけたファンから喝采を浴びる一幕もあり、いよいよ決勝を迎えた。
 フロントローに小暮とロイックが並ぶのは、前回の菅生に続いて今季2度目だったが、スタートダッシュでも前回と同様に、また今回も明暗を分けることになった。ポールスタートの小暮は、好ダッシュを見せてそのままトップをキープ。後続集団が超接近戦のドッグファイトを続けている間に差を拡大。2秒以上の大差を築いてオープニングラップを終えることになった。一方のロイックは、朝のフリー走行から気になっていたクラッチフィーリングがしっくりせず、出遅れてしまう。左右から後続マシンにかわされ、1コーナーでは7〜8番手まで後退したが、スタートを切った後の速さは安定しており、オープニングラップを終えるまでには5番手まで復帰していた。
 スタートで明暗を分けた小暮とロイックだが、それ以降は再び、2人揃って予選までの速さを見せつけることになる。2番手以降を引き離して2周目に突入した小暮は、その2周目に1分35秒775をマークするなど猛チャージ。結果的に、これがレースでのファステストラップとなったが、2番手にコンマ5秒の大差をつけており、決勝でも小暮の速さがライバルを圧倒していたことを証明している。ともかく、序盤から飛ばした小暮は、2位以下を1周に付き1秒以上も引き離すハイペースで先を急ぐことになる。
 一方のロイックは、混戦の中、着実に先行マシンをパスしていき3周目に4位、5周目に3位とポジションアップ。7周目のダウンヒルではディフェンディングチャンピオンのトレルイエ選手をパスし、予選ポジションと同じ2番手まで復帰する。
だが、小暮が、何一つ遮るもののない状況で韋駄天ぶりを見せつけたのに対して、混戦の中で速さが制限された結果、トップを行く小暮との差はこの時点で10秒にも開いていた。
 今回、チームの作戦は、52周レースを二つのスティントで分けて、折返しとなる26周前後にルーティンのピットイン、というものだったが、これが見事に的中し、2人の速さを後押しすることになった。25周を終えたところで、まずは2位に着けていたロイックが、その3周後にはトップを快走する小暮が、それぞれピットインしてガソリンを補給すると同時にタイヤを4本交換し、素早くピットアウトしていった。2人は、ピットインのタイミングでポジションを譲ることになったが、上位陣の全車がピットインを終えた37周目には、再び、小暮〜ロイックの1-2体制に戻ることになったのだ。
 レースが終盤に入っても、2人の優位は何ら変わることなかった。3位以下のドライバーのラップタイムが、小暮やロイックのそれを上回る周もあったが、小暮とロイックの差は序盤に生じた10秒を保っており、さらに、ロイックと3番手との差も10秒以上あったから、慌てることはなかった。
結局、上位陣のオーダーは変わることなく、そのまま52周のスプリントレースはチェッカーを迎えることになった。小暮とロイックは、危なげない走りのまま、見事な1-2フィニッシュ。2人が揃って表彰台に上ることになった。
これで10ポイントを加えた小暮は、ランキングでも4ポイント差の2位に進出。次回、最終戦となる鈴鹿では、逆転タイトルを目指すことになった。
一方、今回1-2フィニッシュを飾ったことでチームタイトルに関しても、鈴鹿での逆転に望みを繋ぐことになった。残念ながら、逆転チャンピオンの可能性がなくなってしまったロイックだが、小暮が、そしてチームが、逆転タイトルを獲得するためにも、彼の活躍は欠かせないところだ。

 

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
好いドライバーと好いメカニックに恵まれているから、これだけの結果を出すことが出来ました。それが本当に嬉しい。これ以上ないくらいに嬉しいですね。
今回は、金曜日から好調で、好い流れのまま予選、決勝を迎えることが出来ました。チームも、好い意味で緊張感を持ち続けてくれました。決勝での1-2フィニッシュは、04年の開幕戦、鈴鹿で小暮とアンドレ・ロッテラー選手で飾って以来。チームとしては久し振りの快挙になりました。
今年の小暮は、一見“荒削り”のように見えていましたが、実際には速さが随分磨かれていて、荒いところは少なくなってきました。ロイックが、逆転チャンピオンの可能性がなくなったのは残念ですが、その分、小暮には、最終戦の鈴鹿で頑張って欲しいですね」


最終戦は11月16-18日三重県鈴鹿サーキットで開催されます。



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