中嶋企画レースリポート00FN-5
   

シリーズ名:2000年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第5戦・鈴鹿サーキット・東スペシャルコース
距離: 2.788km×72周
予選:7月1日 曇り・観衆:1万0500人(主催者発表)
決勝:7月2日 晴れ・観衆:3万3000人(  同  )
ポールスタートの高木虎之介、波乱のレースを制して4勝目!!!
トラブルに耐えたルーキーの松田も5位入賞!
 梅雨の中休みか、まるで一足速く梅雨が明けたかのような好天に恵まれた7月1〜2日、鈴鹿サーキットでは、国内のトップフォーミュラとして位 置づけられる2000年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)のシリーズ第5戦が開催された。
全10戦で闘われるシリーズも、今回が前半戦の締めくくり。昨年までF1GPで活躍していた高木虎之介選手と、昨年まではF3で腕を磨いてきたルーキーの松田次生選手の2人でシーズンを闘ってきた我がPIAA NAKAJIMA RACINGは、ここまで高木選手が開幕戦の鈴鹿、第2戦のもてぎ、と2連勝を飾ったのを皮切りに、第3戦の美祢ではルーキーの松田選手が初優勝。
さらに前回、第4戦の富士では高木選手が3勝目を飾るなど、ここまで開幕4連勝を飾っている。
そしてドライバーズポイントでは高木選手がポイントリーダーとなり、ルーキーの松田選手も堂々3位 につけ、チームポイントでもトップをキープするなど、2年連続してのダブルタイトル獲得に向け、上々の展開を見せてきた。
今回は開幕の地である鈴鹿に戻ってきての1戦だが、舞台となる東スペシャルコースは、これが初レース。
昨年のシリーズ最終戦の舞台に選ばれていた、“これまでの”東コースは、ダンロップカーブを登り切る手前で右にターンしてショートカット、最終コーナーの手前で本コースに合流していた。
それに対して、今回の東“スペシャル”コースは、ショートカットが移動され、ダンロップカーブを登りきった先で右にターン、130Rとシケインの中間で本コースに合流し、シケインから最終コーナーを通 ってホームストレートに戻ってくるレイアウトとなっている。
そして、今回は金曜日に特別スポーツ走行の時間が設けられ、僅かな時間の中で、いかに早くより効果 的なセットに仕上げるか、いかに早くベストな攻略法を見つけるか、が試されることになった。
 土曜日朝一番の公式練習から、積極的にアタックしていった2人のドライバーは、高木選手が57秒483のトップタイムをマーク、松田選手がコンマ2秒差でこれに続いて2番手と、上々の滑りだしとなった。
いよいよ本番となる午後の公式予選でも2人は好調で、まず1回目のセッションでは高木選手が、唯一人56秒の壁を破って55秒946のトップタイムをマーク。
M.クルム選手に先を越されたものの、松田選手も56秒274まで詰めて3番手につけることになった。午後4時55分から行なわれる2回目のセッションにおいては、路面 温度が下がることも予想され、更なるタイムアップが期待されたが、1回目のセッションからのインターバルに他のカテゴリーが走った影響からか、ほとんどのドライバーがタイムアップを果 たせず、グリッド上位は事実上、1回目のセッションの結果で決定した。
「レースセットも心配ないから決勝ではミスしないように走る」と高木選手がコメントすれば、自己ベストとなる3番手グリッドを得た松田選手も「これまではずっと4番手だったので、トップ3に並ぶことが出来て嬉しい。決勝では高木さんについていって、自分にないものを盗みたい」と抱負を語るなど、士気も高らかに、決勝日を迎えることになった。
一夜明けた日曜日は、事前の天気予報とは反対に快晴。朝早くから気温も上昇して、マシンにもドライバーにも厳しいレースとなることが容易に予想できた。
朝一番のフリー走行では松田選手がトップタイム。野田英樹選手を挟み、僅差で高木選手が続き、前日からの好調を維持していた。
サポートイベントと大盛況のピットウォークを終えると、いよいよ決勝レースのスタートとなる。
好ダッシュを見せたのは高木選手。クルム選手と野田英樹選手がこれに続き、野田選手にかわされた松田選手は4番手でオープニングラップを終えた。
しかし、後続グループでアクシデントが発生、いきなりセーフティカーがコースインする波乱のレース展開となる。まずは2周目を終えた時点で服部選手がピットインしていち早くタイヤを交換する。
次の周には高木選手とクルム選手、野田選手、松田選手が次々とピットイン。
各チームのピットは、まるで戦場のようなあわただしい雰囲気となる。
これまでもタイヤ交換で定評のあった我がPIAA NAKAJIMA RACINGは、やはり今回も最小限のロスタイムで2台をコースに送り出すことに成功したが、1周早くタイヤ交換した服部選手の前に出ることはかなわなかった。
ペースカーがピットロードに入った時点では、タイヤ無交換で走っていた脇阪寿一選手がトップをキープ。
タイヤ交換した中では、服部選手に続いて高木選手が2番手、野田選手とクルム選手に続いて松田選手が5番手につけていた。
一度はピットに戻ったセーフティカーだったが、15周目にアクシデントが発生し、再びセーフティカー・ランが始まった。
この2回目のセーフティカー・ランで全車がタイヤ交換を終えることになり、服部選手−高木選手−野田選手−クルム選手−松田選手−本山哲選手というトップ6のオーダーが確定した。
こうなると、セーフティカーがピットロードに向かい、レースが再開される瞬間が最大のチャンスとなる。
こう読んだ高木選手は、セーフティカー・ランを重ねながらタイミングを計っていた。
そして23周を終えてセーフティカーがピットロードに向かった際に、コントロールラインを過ぎたところでフルスロットル。
まさに服部選手の一瞬の隙を突く格好で、1コーナーでトップを奪い返すことに成功した。
トップに立った高木選手は以後も猛プッシュ。
ハイペースで周回を重ねていき、終盤にはトラブルに見舞われてペースを落としたが、トップで4勝目のチェッカーを受けた。
一方の松田選手も、やはり高木選手と同様にマシントラブルに見舞われていたものの、5番手のポジションをキッチリとキープ。波乱の展開となった72周のレースを走りきって2ポイントをゲットした。
■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「チームとしては、これで開幕5連勝を飾ること出来ました。高木選手も松田選手も速さは全くも問題はありません。しかし、今回のレースでは、2台共に同じ様なトラブルが出てしまいました。まだまだチームとしては、やらなければならない事があると考えています。」
※次戦は、7月29日〜30日、宮城県スポーツランドSUGOで開催されます。

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