中嶋企画レースリポート00FN-9
   

シリーズ名:2000年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第9戦・セントラルパーク・美祢サーキット
距離:3.330km×62周
予選:9月16日 晴れのち曇り、時々雨・観衆:1万2400人(主催者発表)
決勝:9月17日 晴れのち曇り    ・観衆:3万1400人(  同  )

高木虎之介、ポールポジションから快走で8勝目!!!
スタートでジャンプアップした松田次生も3位入賞!!
迷走しながら前線に影響を及ぼして、各地に雨の被害をもたらした台風14号が通 り過ぎた9月16〜17日、本州最西端の美祢サーキットでは、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)のシリーズ第9戦が開催された。PIAA NAKAJIMA RACINGは、ここまで8戦して8勝を飾ってきた。
こうなると、目標は全10戦のパーフェクト優勝となるところだが、高木選手にとっては美祢サーキットではこれまで未勝利に終わってきていたので、まずは高木選手の美祢サーキット初優勝、そして松田選手との1−2フィニッシュが、今回の大きな目標となった。
 早々とドライバーズチャンピオンを決定しただけに、美祢サーキットで未勝利のままシーズンを終えるわけにはいかない。
高木選手のそんな気迫は、土曜日から充分に感じられた。
まずは朝一番で行われた公式練習で、唯一人1分15秒台の好タイムをマークした高木は、午後1時過ぎから行われた1回目の公式予選では1分15秒298まで詰めて暫定ポールを奪う。
走り始めたときからセッティングがぴたりと決まっていたようで、ルーキーの松田選手が0.225秒差で2位 につけている。台風は日本海の海上に抜けたものの、その余波からか風は強く、また雲の動きも早かったので、早め早めにタイムアタックしておく必要はあったが、午後3時45分から行われた2回目の公式予選も、なんとかドライコンディションが保たれていたので、やはり、ここが勝負所となる。
45分間のセッションで、最初に好タイムをマークしたのは本山哲選手だった。
しかし、ラスト10分となったところで高木選手がタイムアタック、14秒788をマークして、以後は14秒台での攻防戦となる。
本山選手も懸命のアタックを繰り返したが、結局一歩及ばず、高木選手の今季6回目のポールポジションが決定した。
1回目の公式予選で、高木選手に次ぐタイムをマークしていた松田選手だったが、2回目のセッションでは最後の最後に、渾身のタイムアタックとなったが、不運にも、その直前にコースアウトしたマシンがコース上に砂をばらまいてしまい、1回目の自己タイムを更新することはできなかった。
それでも1回目のタイムで5番手のグリッドはキープしており、スタートに掛けることになった。
 風が強く吹き、雲の流れも速かった土曜日からは一転、日曜日は快晴の秋晴れで空けた。
朝早くから美祢サーキットに詰めかけた観客は3万人を超えたが、まさに絶好のレース日和となった。いつもなら、日曜のフリー走行は朝一番で行われるのだが、今回はサポートレースが1レース行われた後の午前9時過ぎから。
それでも午前7時前にはチームスタッフはサーキットに全員集合して、タイヤ交換の練習と最後のマシンチェックを行う。
高木選手のドライバーズチャンピオンに加えて、前回の富士ラウンドではチームタイトルも決定したのだが、シリーズの連覇を完全制覇で、との意気込みが高いチームスタッフは、普段以上に緊張感を高めてのレースデーを迎えることになったのだ。
そんなチームスタッフの期待に応えるかのように、高木選手はフリー走行でもトップタイムをマークする。
コンマ1秒差で松田選手が続き、この2人のみが1分16秒台、とマシンが高いレベルでセットアップされていることを証明した。
 普段にも増して大盛況となったピットウォークと、セミファイナルのサポートレースが終わると、いよいよFNの決勝レース。
午前中に比べると、幾分雲も出てきたが、日射しは強くなり、やはり暑いレースとなりそうだった。
スタートのシグナルと同時に、フロントローの2人、高木選手と本山選手が好ダッシュ、そのままのオーダーで1コーナーにアプローチしていった。
その後方では松田選手が絶妙のダッシュを見せて3番手にジャンプアップ、エースの高木選手と、そのライバル本山選手のバトルを、間近に見られるポジションに着けてオープニングラップを終えた。
1分18秒台からすぐに17秒台へとペースアップしていったトップグループでは、やはり高木選手のペースが速く、2位 の本山選手をじわじわと引き離していく。
3番手につけた松田選手も、4位以下をじわじわと引き離しながら、トップ2を追走していくが、その間隔もまたじわじわと拡がっていった。
 ここ美祢サーキットは、予選/決勝を通 じてハプニングが多く、荒れるレースとなることも少なくなかったが、今回は非常に安定した展開となっている。
もちろんそれは、ドライバーにとっては一瞬たりとも気の抜けないハードなレースでもあるわけだが、上位 陣は安定したペースで周回を重ねていく。こうなるとタイヤ交換の際のピットワークが勝敗を分けるケースがでてくるから、ピットのスタッフも決して気を抜くことができない。
そんな緊張感の高まった中で22周目に2位の本山選手と3位の松田選手が、続く23周目には高木選手がタイヤ交換を行ったが、ここでは大きな変化はなく、全車がタイヤ交換を終えた時点ではトップ3は、再び高木選手−本山選手−松田選手のオーダーとなった。
 その後もトップ3のオーダーは変わることがなかった。フルタンクのコンディションでは高木選手の方がベストなセッティングとなっており、序盤戦ではじわじわと本山選手を引き離してきたが、反対にマシンが軽くなってくると本山選手の方がベストセッティングとなり、少しずつ詰め寄られる。
しかも周回遅れのマシンに邪魔される格好で、高木選手は数周にわたってペースが上げられず、本山選手との間隔も狭まってくる。
しかし、悲願の美祢・初優勝に懸ける高木選手は、最後まで渾身のドライビングを続け、1.6秒差で本山選手を振りきって美祢サーキット初優勝を飾った。
終盤は単独ドライブとなったものの、集中力を途切れさせることなくノーミスで走りきった松田選手も3位 入賞で表彰台をゲットした。
 今回、高木選手が優勝したことで、我がPIAA NAKAJIMA RACING は、開幕から9連勝を飾ることになり、シリーズも残すは11月に鈴鹿サーキットで開催される最終戦を残すのみとなった。
■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「チームとしては、9勝目、今期2度目の1-3フィニッシュを果たすことが出来ました。今回のレースは非常に緊張感の高い、見応えのあるレースだったと思います。松田選手もしっかりと仕事をしてくれした。今シーズンは、最終戦の鈴鹿を残すのみとなりましたが、チーム10連勝の大記録に向けて、チーム一丸となりベストを尽くします。」
※次戦最終戦は、11月4日〜5日、三重県鈴鹿サーキットで開催されます。

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