中嶋企画レースリポート00FN-8
   

シリーズ名:2000年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第8戦・富士スピードウェイ
距離:4.400km×50周
予選:9月2日 曇り ・観衆:  8900人(主催者発表)
決勝:9月3日 晴れ・観衆:2万9600人(  同  )

高木虎之介、激走の連続で大逆転、新記録のシーズン7勝目!!!
PIAA NAKAJIMA RACING、
2年連続でチームチャンピオン獲得!!!
 晴れ上がった空に浮かぶ雲も、一層高さを増してきた9月2〜3日、文字通 りの秋晴れとなった富士スピードウェイにおいて、2000年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)のシリーズ第8戦が開催された。
8月に、ツインリンクもてぎで行われたシリーズ第7戦で、エースの高木虎之介選手がシーズン最多記録に並ぶ6勝目をマーク、早々とドライバーズチャンピオンを決めていた我がPIAA NAKAJIMA RACINGは、その高木選手が唯一勝てなかった第3戦の美祢ラウンドでは、ルーキーの松田次生選手が初優勝を飾っており、高木選手が大逆転劇を演じて先制した開幕戦の鈴鹿から、ここまでの7戦を負けなしのパーフェクト。
ドライバーズチャンピオンとならぶもう一つのチャンピオンシップであるチームポイントでもタイトルに王手を掛けていたので、今回の目標は2年連続してドライバー&チームのダブルタイトルの決定。
そのためにもシーズン当初から大きな目標となっていた高木選手と松田選手の1−2フィニッシュを目指してのサーキット入りとなった。
 今回の舞台となる富士スピードウェイは1.6kmのストレートに代表されるように、世界的にも“超" 高速タイプのサーキット。
FNにおける最多連続優勝に並ぶ4連勝のスタートを切ったのは、6月の富士ラウンドで、“ゲン”の良いコースでもある。
ライバルの各チームも、マシンのセットアップが進んでおり、これまでのような楽勝ムードではなくなったが、ドライバーチャンピオン決定後も、心地よい緊張感が漂っており、チームの雰囲気は上々だった。
 土曜日の朝一番で行なわれた公式練習から、ライバルのスピードアップが目立つことになった。午後1時5分から行われた1回目の公式予選でも、午後2時45分から行われた2回目の公式予選でも、高木選手は本山哲選手に次ぐ2番手に終わってしまった。
ただしタイム差は0.027秒と僅かで、本番セッティングを詰めていけば充分に挽回は可能なレベル だった。
一方、1回目の公式予選では5番手につけていた松田選手も、2回目の公式予選では、タイミングが悪かったことから、総合結果 では8番手に後退。
しかし、ここ富士スピードウェイは、FNのシリーズ戦が行われるサーキットのなかで、オーバーテイクが頻繁に見られることでは屈指のコースで、4列目からのスタートならば充分に上位 入賞の権利がある。
公式予選を終えたのちは、チームスタッフが一丸となって日曜日の本番に向けて、決勝セッティングをより高める作業が、最後まで続けられることになった。
 雲の多かった土曜日からは一転、決勝レースが行なわれる日曜日は、まさに秋晴れの青空で明けた。
午後の決勝を迎えるころまでには少し雲が出てきたが、それでも気温は30度を超え、日差しは夏の名残を思わせるほど強くなった。
午後2時半にスタートが切られた決勝レースで、まず好ダッシュを見せたのはポールシッターの本山選手。高木選手は一瞬出遅れ、野田英樹選手にかわされて3番手でオープニングラップを終えることになる。
しかしトップをキープしていた本山選手は、思ったようにペースが上がらず、2周目の1コーナーで野田選手にかわされて2位 に後退。
すかさず猛チャージを掛けた高木選手も6周目の1コーナーで本山選手をかわして2位 に進出する。
その後、トップ3台は1分19秒台のハイペースで接近戦を繰り広げ、その後方では20秒台で走行する脇阪寿一選手に8番手スタートからジャンプアップを果 たした松田選手が猛プッシュする展開が続いた。
そんな展開が急変したのはトップグループが11周を終了した直後。
最終コーナーを立ち上がったところでクラッシュが発生、赤旗が提示されてレースは一時中断となったのだ。  ドライバーには大事なく、レースは第1パートの10周と、第2パートの37周に分けられることになったが、この時点で柴原眞介選手のみがタイヤ交換を済ませており、2番手からスタートする高木選手、5番手からスタートする松田選手を含めて、上位 陣はすべてタイヤ交換のロスタイム分のハンディを背負っての第2パートとなった。
} 特に、ピットロードの長い富士では、タイムロスが大きいので、37周レースのなかで、このハンディを跳ね返すのは至難の業となってくる。そこでPIAA NAKAJIMA RACINGとして、まずは高木選手が1周を終えたところでピットインしてタイヤ交換し、残り36周で猛プッシュして追い上げる作戦をとることになった。
 スタートではポジションをキープ、2番手で1コーナーを立ち上がっていった高木選手は、オープニングラップを終えたところで予定通 りピットイン。ピットのスタッフは素早くタイヤを交換して高木選手を送りだすが、同時にピットインしてきた本山選手も、高木選手の直後にピットアウト。
2台そろってトップを逃げる柴原選手を猛追撃にかかった。
15周辺りで2人のデッドヒートが激しくなってペースが落ちた以外は、常に1周あたり1秒前後追い上げていく。
そして、34周目に待望の首位 にたった高木選手は、そのままのペースで残り3周を走りきり、チェッカーを受けた。これはこれまでの最多記録を更新するシーズン7勝目であり、同時にPIAA NAKAJIMA RACINGも2年連続してチームチャンピオンに輝くことになった。
一方の松田選手は、2回目のスタートで、一時は高木選手に並びかけるほどの好ダッシュを見せたが、その直後クラッチトラブルが発生してしまい、100 Rのインサイドにマシンを停めて、残念ながらレースを終えることになった。
前回、シリーズ6勝目を飾った高木選手が、早々と2000年度のドライバーズチャンピオンを決定したのに続いて、今回の勝利により、2年連続でPIAA NAKAJIMA RACINGは、チームチャンピオンを獲得した。
■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「今回のレースは、事故やその影響でレースの展開が変わり、いろいろなドラマがありました。そんな中、高木選手は、チャンピオンとしてすばらしいレースをしてくれたと思います。また、松田選手は、マシントラブルでレースを終えてしまいましたが、第1パートのスタートで抜群のスタートダッシュを決め、その後もいいペースで走り、第2パートにおいてもすばらしいスタートを決めるなど、好パフォーマンスを発揮してくれました。今回の勝利により、PIAA NAKAJIMA RACINGは、2年連続でチームチャンピオンを獲得することが出来ました。残り2レースもチーム一丸となって勝利を目指し、記録に挑戦していきたいと思います。変わらぬ ご声援を宜しくお願い申し上げます。」
※次戦は、9月16日〜17日、山口県美祢サーキットで開催されます

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