朝夕は、幾分肌寒さも感じられるようになった9月13〜14日、栃木県にあるツインリンクもてぎでは、SUPER GTのシリーズ第7戦・スーパーGTもてぎ300kmレースが開催された。世界最高最速の“ハコ車レース”を標榜するSUPER GTシリーズだが、前回の鈴鹿1000kmまでの6レースはベスト4戦分が加算される有効ポイント制。ここから先の3戦は、全てのポイントが加算されるために、タイトルを狙う上では一つも取りこぼしの許されないシビアなバトルとなることが予想されていた。
レースは好天に恵まれ、ツインリンクもてぎには、週末を通じて5万3000人ものファンが詰めかけ、コースの各所で繰り広げられたシーズン最後のハイスピードバトルを、心行くまで楽しんでいた。
今回は、ウェイトハンディなしの1ランク性能引き上げ、と有利な条件が揃い、いざ挽回!とチームはモチベーションを上げてサーキット入りした。そして金曜日の練習走行から、EPSON NSXは好調だった。2ランク性能引き上げとなった1台のGT-Rに次ぐ2番手タイムをマークし、まずは順調な滑り出しを見せていた。
公式予選はいつものように土曜日に行われたが、今回は“ノックダウン式”と呼ばれる新しい方式が採用されていた。これはまず、午前中の1回目では2人のドライバーが予選通過基準タイムをクリアーするためだけのもの。タイムは一切、グリッドに反映されることがない。
勝負は午後の予選2回目。ここでは15分のセッション1、10分ずつのセッション2とセッション3、3つのセッションに分かれていてセッション1では16台から12台に、セッション2では、その12台から8台に、と4台ずつが振り落とされていき、セッション3でトップ8グリッドが決定する。F1GPやフォーミュラ・ニッポンでお馴染みになったスタイルだが、ドライバー2人で戦うSUPER GTらしく、1人のドライバーが出走できるのは2回まで。だから、普段の予選ではタイムアタックを行わないドライバーも、今回はアタックすることが必要になったため、金曜日の段階から平中に、フレッシュタイヤでのタイムアタックを経験させた。
平中でセッション1を勝ち残り、後はロイックがポールを目指すという、チャレンジングな作戦は必然だった。
だが、思わぬハプニングに足をすくわれてしまう。セッション1でコースインしていった平中が、アタックラップに入った頃からラジエターからの水漏れが酷くなった。ラジエターにクラックが入っていたのだ。このまま走行を続けエンジンを傷めて交換するとなったら、自動的に10グリッド降格となってしまう。チームは大事をとって平中のアタックを中止させてピットに呼び戻す決断をした。
結局、平中はノータイムとなり、決勝レースには最後尾からスタートすることが決まった。
その決勝レースは日曜日の午後2時にスタートが切られた。最後尾スタートということもあって、今回は平中がスタートと前半のスティントを担当。ここで着実に走ってポジションをいくつか上げ、ロイックが担当する後半セクションで勝負に出る作戦だった。
スタートを担当した平中だったが、まずは順当なスタートを見せた。基本的にはポジションキープだったが、上位陣で後退したマシンもあって、平中は14番手でオープニングラップを終えている。その後平中は、1分49秒台から50秒代前半の安定したペースで周回。上位陣の脱落も手伝って入賞圏内の9位までポジションを上げ、28周を終えたところでルーティンのピットイン。まずは完璧な仕事を終え、後半をエースのロイックに託した。
そのロイックは、13位でレースに復帰すると、各車がルーティンのピットインを終える頃には8番手に進出していたが、そこから見事な走りを見せることになる。51周目には1台のGT-Rをパスすると、その後は5位を行くレクサスに照準を合わせていった。
レースも終盤になり、各車ペースが伸び悩む中、粘り強く走ったロイックは、57周目の90度コーナーでインを突いてけん制。ここでは抜き去ることができなかったが、その後も猛プッシュ。59周目のホームストレートで真横に並ぶと、1コーナーでインからこれをパス。そのまま走りきり5位でチェッカー。最後尾スタートを考えれば上々のフィニッシュだった。 |