悪天候に翻弄され、たった2周、それもペースカーに先導された状態でレースが成立した開幕戦に続いて開催された鈴鹿サーキットでの第2戦。

この年、NAKAJIMA RACINGはドライバーを一新し、オーディションで抜擢したフランス人ドライバーのロイック・デュバルと全日本F3選手権からステップアップを遂げた武藤英紀の2人を起用。これが2人にとっての実質のデビューレースとなり期待が膨らんだが、金曜のテストからタイムが伸び悩む苦しいスタートとなった。

予選日の天候は雨のち曇り。2回行なわれる予選セッションの1回目は完全なウエットコンディション、2回目はハーフウエットからドライに変化していき、ここが勝負どころとなった。1回目のセッションで下位に沈んだデュバルは、手ごたえもありもっと上位に食い込めるはずだったが、肝心のアタックラップで遅いマシンに引っ掛かったため8番手。

決勝への期待は辛うじてつながり、いよいよスタートを切るが、初めてのスタートでポジションを１つ落とすことに。9番手でオープニングラップを終え、上位陣のトラブルなどもあり7番手に順位を上げてレースを進めていくが、その後は膠着状態で動くに動けない状況が続く。そこでチームは早めのピットインを行なうことを決断し、16周を終えたところでデュバルをピットへ呼び戻す。この早めのピットイン作戦が見事的中し、上位陣がピットインを終えた時点でなんと一気にトップに躍り出ることに。

終盤になると、雨が落ちてきてペースダウンを余儀なくされるシーンもあったがデュバルはルーキーとは思えない力強い走りでトップをキープ。目まぐるしく変わる路面をうまくコントロールしながらトップでチェッカーを受け、嬉しい初優勝を飾った。一方の武藤も予選14番手から粘りのレースを展開し6位チェッカー。NAKAJIMA RACINGにとってはルーキー2人がダブル入賞となる記念すべき一戦となった。