開幕戦で見事な逆転優勝を果たした高木虎之介選手。そしてトラブルを抱えながら好走を見せたルーキーの松田次生選手。
2000年フォーミュラ･ニッポン第2戦は、栃木県ツインリンクもてぎで開催された。
ここもてぎで事前に行われた公式テストにおいて、高木選手は新車のシェィクダウンにもかかわらずトップタイムをマークしている。
一方の松田選手も6番手タイムを出しており、両ドライバー共に順調な仕上がりを見せ、好結果 が期待された。 土曜の予選日、朝方は曇り空だったものの、公式練習が始まると天気予報通 り雨が落ち始める。午後に行われる予選はウェットコンディション、レインタイヤでの走行となった。
13:00から行われた1回目の予選、高木選手は、2番手につけた本山哲選手に0.4以上の大差を付け、雨の中でも圧倒的な速さを見せつけ暫定ポール。
そして松田選手も強豪選手がひしめく中、5位と上々のポジションを獲得した。
そして15:45から開始された2回目の予選。1回目の予選でトップタイムをマークしている高木選手は、各ライバル達の出すタイムを確認する為にピットで待機。
自己ラップタイムを更新するドライバーが現れるとすぐにコース・イン。
ウェットコンディションというハイリスクの中、計測1周目からトップタイムを叩き出すと、計測2周目には2位 のミハエル・クルム選手に0.5以上の大差をつける1ﾕ50.001を叩き出し、ポール・ポジションを獲得。格の違いを見せることとなった。
一方の松田選手は、ルーキーらしからぬ走りを見せ4番手タイムをマーク。
その後、勢いあまってコースアウトしてしまうが、PIAA NAKAJIMA RACINGとしては、1番手と4番手スタートという抜群の好位 置から明日の決勝を迎えることとなった。

明けて日曜決勝日。この日も天気予報が的中し、天気は回復。
8:30から行われたフリー走行。完全なドライ路面ではなかったが、決勝レースに向けては、完全にドライでの走行が見込まれた。
PIT WALKを終えると、いよいよ緊張のスタート瞬間が迫ってきた。
ポール・ポジションスタートの高木選手は、スタートのタイミングが合わず2番手の本山選手に先行を許してしまう。しかし落ち着いて本山選手を追走。
チャンスを狙っていた。そして10周目の90度コーナーで本山選手を鮮やかにオーバーテイク。
その後はファーステストラップを叩き出しながら後続車両を引き離していく。
一方の松田選手は、ベテランドライバー達が取り囲む中で順調なスタートを決め、4位 ポジションをキープ。前を走るミハエル・クルム選手を追走していた。
そして今年から採用された新ルール、タイヤ交換の時が迫ってきた、最初にピットインしたのは松田選手。PIAA NAKAJIMA RACINGのチームスタッフは、落ち着いて作業をこなし松田選手を再度コースに送り込む。そしてトップを走る高木選手のピットインのタイミングが迫ってきた。
ここでのチームスタッフのパフォーマンスは抜群、どのチームよりもすばやくタイヤ交換を終了させ、高木選手を送り出す。上位 を走行する車両が全てタイヤ交換を済ませ、この時点でのオーダーは、トップ高木虎之介選手、2位 立川祐路選手、3位本山哲選手、4位ミハエル・クルム選手、5位松田次生選手となった。
高木選手はタイヤ交換後も順調に走行し、2位以下を大きく引き離していく。立川選手がトラブルで車両を止め、松田選手は4位 に。
そして本山選手の車両にトラブルが発生したのか、ミハエル・クルム選手が、本山選手を抜き3位 に。
そして4位を走行していた松田選手は、本山選手を捕らえ始めた。
そして何とフル参戦2戦目のルーキーがファーステストラップを叩き出し、98年チャンピオンの本山選手をオーバーテイク。
グランドスタンドの観客から惜しみない拍手が送られ、松田選手は、初表彰台を獲得した。
高木選手は、レース後半、エンジンに問題を抱えながらの走行だったものの、それまで築いてきたマージンをうまく使い、ポール・ツー・ウィンを決め、開幕2連勝を飾った。