トップ > エンターテイメント > 伝説の一戦 > Vol.1 1989年 F1 第13戦ポルトガル GP(エストリル)

Legendary Races 伝説の一戦



カテゴリー:F1
サーキット:ESTORIL(4.350km)
決勝日:1989年9月24日
天候:晴れ/トラック:ドライ
予選:25番手/決勝:7位

F1シーズン3年目に訪れた苦悩

F1生活3年目となった中嶋悟。この年のロータスはホンダエンジンを失い、ジャッドエンジンで走らざるを得ず、新たにウィリアムズから加入したフランクダニーがデザインしたニューマシンロータス101はシーズン当初からバランスの悪さに悩まされ続けていた。

第11戦ベルギーGPでは2台揃っての予選落ちをするなど、ロータスの長い歴史の中でも初めての屈辱的な珍事も味わった。

中嶋もここまでの12戦、第1戦ブラジルGPと第8戦イギリスGPでの8位がベストリザルトで、チームメイトのネルソン・ピケともども精彩を欠いたシーズンであった。

予選の低迷を吹き飛ばすオーバーテイクショー。

終盤の残り4戦となった第13戦のポルトガルGP。パフォーマンスが上がらず厳しい状況で予選を迎え、25番手と低迷。決勝は最後列からのスタートとなる。しかし、ここからオーバーテイクショーが始まった。この日の中嶋はエストリルを激しく攻め立て、まずは5lapにコローニのモレロをパスして24番手に上がり、次のターゲットはアローズのチーバー。
両者サイドバイサイドが続き、一度ポジョンを落とすも、15lapに再びオーバーテイク、次周の16lapにはラルースのアルボレートをパス。

その後も順位を上げてレースも約半分の34lapには12番手まで大きくジャンプアップに成功していた。後半に入っても中嶋の追い上げは止まらず、49lapには9位までポジションを上げ、入賞も視界に入ってくる。その後上位マシンのリタイアもあり、今期最高の7位でチェッカーを受けた。この時代の入賞は上位6位までで、残念ながら入賞はできなかったが、ロータス101ジャッドの決勝のセットが旨く決まり、25位から7位まで、次々と順位を上げる中嶋を見るのはとても爽快に映った。これが中嶋の89年のベストレースであり、伝説の一戦だと言える。

中嶋悟コメント

ポルトガルGPは練習走行からクルマの調子がとても良く、トップ10ぐらいのタイムが出ていたと思います。しかし、予選までにエンジニアがすり板のセットを変更したらしく、予選を迎えたらぜんぜんダメになっちゃって・・・ほんと予選だけが失敗してしまいました。

決勝は練習の時のようにクルマも良くなって攻めるレースが出来ました。最終コーナーが体に非常に厳しいサーキットでしたが、そこで前車につきストレートでスリップに入り1コーナーで抜いていくことが出来ました。私自身レース終了後には立つ事も出来ず、トレーナーに担いでもらうこととなりましたが、いままでのF1レースの中でも一番抜いたレースだと思っています。



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